ブラック・マジシャン新規カードの発売前個別評価

「WORLD PREMIERE PACK 2021」と「BATTLE OF CHAOS」で収録される計7枚のブラック・マジシャンの新規カードについて、現時点で考えていることを書きます。

WPP2(9月25日発売予定)

マジシャンズ・サルベーション

フィールド魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、デッキから「永遠の魂」1枚を選んで自分フィールドにセットできる。
(2):自分が「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」の召喚・特殊召喚に成功した場合、そのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターとはカード名が異なる「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を自分の墓地から選んで特殊召喚する。

魂をセットする効果を内蔵した永続魔法。場の魔法はソウルズのコストや「神聖魔皇后セレーネ」のカウントに繋がるため、(2)の効果を狙わなくとも出し得なカードです。

永続魔法なので「サイクロン」で無効化される点や、セットした位置がばれる点などには注意がいるものの、サーチ先も永続罠なので発動時に割られるのは変わらず戦局への影響は軽微です。同じ縦列に魔法罠を置かれたら「無限泡影」である可能性を考慮するといった、普段通りの立ち回りができていれば問題ないでしょう。

また、(2)の効果もソウルズなどから発動機会は十分にあります。基本展開の中でリンク素材やダメージソースとしての役割を得て、ガールを活かした構築でなくともガールの採用価値は高まることと思います。

アドバンス召喚の際のリリースを帳消しにできるので、手札に来てしまったガールの処理もいくらか楽になるかもしれません。

マジシャンズ・ソウルズ ブラック・マジシャン ブラック・マジシャン・ガール
永遠の魂

一例として、場に魂、墓地にブラック・マジシャン、手札にソウルズがある場合は、ソウルズ特殊召喚→魂でブラック・マジシャン蘇生→サルベーションでガール蘇生→サルベーションをコストにソウルズでドローができます。ブラック・マジシャン2体でランク7を出すか状況に応じて使い分けましょう。

切り裂かれし闇

永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分がトークン以外の通常モンスターの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。
(2):以下のいずれかの自分のモンスターが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。その自分のモンスターの攻撃力はターン終了時まで、その相手モンスターの攻撃力分アップする。
●レベル5以上の通常モンスター
●通常モンスターを使用して儀式召喚したモンスター
●通常モンスターを素材として融合・S・X召喚したモンスター

ドローとパンプ、発動条件の異なる2つの効果を備えたブラック・マジシャンのカード名が記されていないカード。

(1)の効果は陣と同等でお手軽に発動でき、恒久的なアドバンテージが期待できます。が、ドローソースの主な仕事は初動の確保にあるので、ブラック・マジシャン着地後のドローではやや扱いにくいかもしれません。

あくまで(2)の効果が主目的で、消費分を(1)の効果で補填するような想定での採用がよさそうです。とはいえ、ブラック・マジシャンを素材にできてパンプと相性のよいモンスターが特にいないので、イラスト的にも「拡散する波動」と絡めることになるでしょうか。

BACH(10月16日発売予定)

イリュージョン・オブ・カオス

儀式・効果モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2100/守2500
「カオス・フォーム」により降臨。このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札のこのカードを相手に見せて発動できる。儀式モンスターを除く、「ブラック・マジシャン」またはそのカード名が記されたモンスター1体をデッキから手札に加える。その後、手札を1枚選んでデッキの一番上に戻す。
(2):相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる。このカードを持ち主の手札に戻し、自分の墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚し、その発動した効果を無効にする。

待望のモンスターサーチ。しかも「儀式の準備」に対応。

交換する手札はデッキトップに置くので、ナビゲートや師弟の絆などデッキしか参照できないカードの事故防止にも一役買います。あるいは陣やマハードの布石として。単に要らないカードを戻す場合もロッド、ソウルズ、見習いを出してシャッフルしてしまえば問題ありません。

汎用サーチとして高い性能を持つ一方で、儀式モンスターとしてもそこそこ優秀なので、秘儀から出すことも視野に入ります。素材が被るマジシャンズや後述の新規融合体との選択になります。

総じて、これまでの構築や戦略を大きく変える影響力を持ったカードであると思います。

マジクリボー

効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 300/守 200
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):戦闘または相手の効果で自分がダメージを受けたターンのメインフェイズ及びバトルフェイズに、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。自分のデッキ・墓地から「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):自分フィールドの表側表示の魔法使い族モンスターが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。墓地のこのカードを手札に加える。

リクルートとサルベージを繰り返すアドの塊。罠がなくとも油断を許さず、カードプールに存在しているだけで相手のプレイングを乱せるカードです。

自分のバトルフェイズにも発動できるため、能動的に戦闘ダメージを受けた上で追撃を行えます。ダメージステップに発動するのではなく、条件を満たした後でいつでも発動できる効果なので、陣も問題なく使えます。また、時系列がダメージ発生→戦闘破壊の順であっても、(2)の効果で回収して即座に(1)の効果が使えます。

効果ダメージを受ける機会としてはメジャーなところだとイビルツインが挙げられますね。例えば「Evil★Twin’s トラブル・サニー」「Live☆Twin トラブルサン」が場にある状態を想定してみます。

Evil★Twin’s トラブル・サニー
マジシャンズ・ロッド 幻想の見習い魔導師

ロッドを通常召喚、マジクリボーをコストに見習いを特殊召喚し、トラブルサンでダメージを受けます。そしてロッドで攻撃を仕掛けたとき、相手視点で最悪なのはサニーが戦闘破壊されることなので、見習いの対処法がないならサニーの効果を打たざるを得ません。しかし、リィラで魔法使いを破壊すればマジクリボーが誘発してしまいます。よって、バトルフェイズにモンスター2体を残してキスキルリィラを殲滅できるわけです。

イビルツインは妨害の手数が豊富なので上記のような展開は稀でしょうが、自爆特攻をしなくても発動条件を満たせる点は頭に入れておくとよさそうです。

ディメンション・コンジュラー

効果モンスター
星1/闇属性/魔法使い族/攻 500/守 500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から「ディメンション・マジック」1枚を選んで手札に加える。
(2):このカードがモンスターゾーンから墓地へ送られた場合に発動できる。自分フィールドの魔法使い族モンスターの数だけ、自分はデッキからドローする。その後、ドローした数だけ手札を選んで好きな順番でデッキの上に戻す。

ブラック・マジシャンのカード名が記されていないカード。これの発売と同時にロッドがサーチできるようにもなるので、召喚権をここに割く余裕はなさそうです。かといって、ディメマをサーチするためのカードを特殊召喚するのは本末転倒。

「サクリファイス・アニマ」で(2)の効果を発動してデッキの魔法使いを探し出せます。ブラック・マジシャンではなく、サーチできない上級魔法使いを扱うデッキで採用するのが有効かもしれません。

合体竜ティマイオス

効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻2800/守1800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札及び自分フィールドの表側表示のカードの中から、魔法使い族モンスター1体または「ブラック・マジシャン」のカード名が記された魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
(2):自分メインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた、魔法使い族モンスターを含む融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

(1)の効果のコストと(2)の効果の素材をあわせて、消費枚数は普通の「融合」と同じ。ナビゲートやしもべを手札から切れれば墓地アドバンテージの面で優位。他の差別化点は自身がドラゴン族なところですが、肝心の彼は禁止カードなので…。

超魔導戦士-マスター・オブ・カオス

融合・効果モンスター
星8/闇属性/魔法使い族/攻3000/守2500
「ブラック・マジシャン」+「カオス」儀式モンスター
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが融合召喚に成功した場合、自分の墓地の光・闇属性モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(2):自分フィールドの光・闇属性モンスターを1体ずつリリースして発動できる。相手フィールドのモンスターを全て除外する。
(3):融合召喚したこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、自分の墓地の魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。

ブラック・マジシャン+イリュージョン・オブ・カオス+秘儀の組み合わせでもっとも火力を出せるので、エクストラに枠があれば入れておきたい1枚です。

光属性は「聖魔の乙女アルテミス」で供給可能。(3)の効果を盾に妨害を牽制して(2)の効果を通せれば不利な盤面も捲れるかも?

発売まであと2ヶ月

超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ

BACHは10月発売なので、リミットレギュレーションの改訂後になります。となると、よからぬ期待をしてしまいますし、環境が変わっている可能性も大いにあります。

よって、上でダラダラと述べたのはすべて戯言です。遊戯王Wikiとかにも多分似たようなことが書いてあります。ちゃんとした評価は発売後にしっかりやります。楽しみすぎて先走ってしまいました。

お付き合いいただきありがとうございました。

以上