基礎から応用までブラック・マジシャンのプレイング大全
11月9日に発売の「デュエリストパック-レジェンドデュエリスト編6-」をはじめ、数々のブラック・マジシャンの新規カードの情報が公開されております。
であればその新規カードについて考察すべきですが、それは他のブログにお任せして…
今回は、ずっとブラック・マジシャンを愛用していた人にも、これから組む人にも読んでもらいたいプレイングを題材にした記事をご用意しました。
デッキコンセプト
ブラック・マジシャンを特殊召喚する罠カードを軸に、除外効果を有する「黒の魔導陣」やリンク召喚・エクシーズ召喚などでアドバンテージを稼ぐデッキです。テーマ内のカードのほか、魔法使い族や通常モンスターであることによる恩恵も受けることができます。
サンプルデッキ
下記のカードを使用した構築を前提に解説します。
残りの枠はドローやサーチを増やしたり、融合や師弟などファン要素を入れたり、手札誘発やカウンターを入れたり。
それでは、このデッキをどのように回すのか、時系列順に追っていきます。
Turn 1
サーチやドローで手札を整える時間。
「マジシャンズ・ナビゲート」から展開できるのが望ましいですが、何よりもブラック・マジシャンを召喚できる体制をつくれることが肝要です。
ロッドのサーチ対象
のうち足りない方を加えます。
陣をサーチしてデッキトップに賭ける手もありますが、35枚の中から3枚めくって狙ったカードが出る確率はあまり高くないので過度な期待は禁物です。
加えたいカード | 残数 | 確率 |
4枚 | 31% | |
5枚 | 38% | |
9枚 | 60% | |
7枚 | 50% |
陣とドロソ
デッキの上を見た後に「成金ゴブリン」を使うと、デッキの上の3枚の中から好きなカードを加えるコンボが成立します。
を引き込むタイムラグが解消されるため、初動の安定に繋がります。
「マジシャンズ・ソウルズ」もドロー効果を内蔵しており、同様の活躍が期待できますね。
召喚権 | 加えたいカード | 発動順 |
有 | → | |
有 | → | |
無 | → | |
無 | → |
リンク召喚
見習いやロッドが2体並んだらすかさずリンク召喚を行いましょう。
これは盤面の強化だけでなく、ロッドを墓地へ送る目的も兼ねています。
は手札の補強に繋がるため、優先的に出したいカードです。
は相手ターンに妨害を仕掛けられるカード。すでにルドラを使用済みな場合や、確実に妨害数を増やしたい場合にはこちらを出します。
今後のカードプールの変化によって「捕食植物ヴェルテ・アナコンダ」で「真紅眼融合」を使用し「超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ」を召喚するといった選択肢も生まれるため、構築は適宜見直していきましょう。
魂をセットするか否か
基本的には、帚やライストなどは無視して罠はすべて伏せます。
が、「永遠の魂」だけは別。捲られた後で盤面をリカバリーできるカードであるため、手札に温存するメリットがあるからです。むしろ、自壊効果の関係から伏せても安易には発動できず腐る可能性すらあります。
罠カードは伏せるのを迷えば迷うほど読まれやすくなるので
- がない → 伏せる(展開手段が他にないため)
- などの後続がない → 伏せる(割られるリスクより展開を優先するため)
- がいる → 伏せる(リンク召喚後に蘇生が必要となる場合があるため)
- それ以外 → 伏せない
といった感じであらかじめマイルールを定めておくと即決できてよいかと思います。
Turn 2
相手ターンに動くのがブラック・マジシャンの真骨頂です。
自分ターンでの定型化された動きと異なり分岐が多いため、丁寧なプレイングを心掛けましょう。
召喚タイミングの見極め
ブラック・マジシャンは可能であればエンドフェイズまで出さない、が正解。相手が行動できるうちに出しても、除去されるリスクを抱えるだけでいいことはありません。
相手の動きは他の妨害札でいなして、陣に頼るのは最後の最後にしましょう。
例外
マスカレーナが存在する場合は上記の限りではなく、ブラック・マジシャンを先に展開してリンク素材を確保します。
初手でマスカレーナを出すということは、ナビを握れているということになります。
ウーサを出すとロッドの墓地効果が使えませんが、ウィッチで補えます。
マスカレーナはバトルフェイズに効果が使えない(フェイズ移行を宣言されるとメイン1に発動せざるを得なくなる)のが弱点ですが、バトルフェイズに相手モンスターを除去する手段があればこれも問題になりません。陣が場に見えている限り、単騎ではバトルフェイズへ移行できなくなるわけです。
なお、エクストラデッキに「セキュア・ガードナー」があれば、相手の効果モンスターを発動するためのカードの発動に合わせて
- チェーン2
- チェーン3
とチェーンを組めるため、ウーサの効果を不意に当てることも可能です。
ナビのリクルート
はナビを繰り返し使えるような安定した盤面において優先的に出します。また、対象耐性持ちなどを戦闘破壊するために出す場合もあります。
はもう少し展開を急ぎたいとき、リソースが枯渇したときなどにエクシーズ召喚を目的に出します。
チェーンの重ね順
ナビ発動後に起こる複数のカードのチェーン処理について。
すべて任意効果であるため、好きな順でチェーンを組みます。
何をチェーンされるかを想定してチェーンを組む、現代遊戯王の基本ですね。
被チェーン | チェーン |
うららはナビが通っている時点で(Gでドローされていない限り)ないと考えてよく、γや通告は盤面によることから、相手の場にモンスターがいてリバースカードがなければ見習いがもっとも通りやすいと考えられます。
よって
の順でOK!
…本当に?
ここで考えなければならないのは「墓穴の指名者」の存在。ロッドのコストで見習いを送ってしまうとチェーン墓穴で見習いを無効にされてしまう可能性があります。
大抵は見習いよりロッドを除外すると思われますが、どうしても見習いを通したいときは
処理後
にした方が安全です。
魂の発動テクニック
永続罠はカードの発動と同時に効果を使用するかしないかを選択できます。つまり、カードの発動だけ行い、直後に別のチェーンブロックで効果の発動をすることも可能なわけです。
この点に着目したプレイングについて考えます。
発動時に使用 | 別ブロックで発動 | |
〇 | × | |
× | △ | |
× | 〇 |
カードの発動時に効果を使用した場合に優位なのは、1度だけうさぎに阻害されない点。もちろん次のターンで再び発動したら割られてしまうわけですが、そのターンでの確実性を求める状況において有効です。
一方で、別ブロックにて効果の発動をした場合は、特殊召喚するカードの発動を無効にするカードを回避することができます。
※わらしは効果の発動を無効にするカードですが、カードの発動を無効化された永続罠は墓地へ行くのに対して、効果の発動は無効にされても永続罠は場に残るという違いがあります。
よって一概にどちらがよいとも言えないため、公開情報をよく見て判断しましょう。
Turn 3
再び自分のターン。ここでは相手のリソースを削ぐことを強く意識してプレイします。
最悪アド損してもロッドか魂があれば立て直せるので、積極的に展開していきましょう。
リンク1の展開
「リンク・スパイダー」は魂が場にある場合にフィールドのブラック・マジシャンを墓地へ送る役割があります。ブラック・マジシャンの召喚回数はアドバンテージに直結するため、よく使われる小技です。
リンク2の展開
Turn 1に同じ。
召喚権が余っていれば、クロウリー効果からブラック・マジシャンやバテルを通常召喚できます。
リンク3の展開
トロイメアで経由でLINK-3へ。ブラック・マジシャンが場を離れることで墓地ナビが使えなくなるので慎重に。
現在未発売の「神聖魔皇后セレーネ」も、「ブルートエンフォーサー」経由で手札を破壊しながらLINK-4「双穹の騎士アストラム」に繋げたり、相手ターンでの陣の発動トリガーになったりと強力なカードですね。
ランク7の展開
ブラックイリュージョンがいる場合は、LINK-1などでブラック・マジシャンを墓地へ送り、蘇生効果に繋げ(陣を発動し)ます。
通常罠は墓地ナビで避けられますがカウンター罠には注意。
さらにエクシーズ召喚へ。
リンク4の展開
当ブログおなじみのトマホークですが、ファイアウォールが消えてから書いていなかったので改めて。
別解
トロイメアと星杯
汎用性のトロイメアに対して、痒い所に手が届く星杯。
両方採用するとエクストラ枠を著しく圧迫するのでよくご検討ください。
- 魂の自壊効果を防げる
- ルドラに使える
- 相手の場が空でもドローできる
- 対象耐性を突破できる
- (2)の効果に「黒魔術の継承」をチェーンして継承を墓地に送ることで0:1交換になる
さらに別解
何らかの理由でレベル7が3体並んだときは、墓地ナビを維持しながらランク7を展開するのもアリです。
セキュアの役割がマスカレーナのチラ見せ要員だけというのもアレなので、こんなルートでも覚えておいて損はないです。
余談
トマホークから炎・水・地・風。あとは闇属性が召喚できれば…。
Turn 4
返しの相手ターン。
お互いに手の内は大方見えているので、的確に相手の行動を縛って詰めに入ります。
ドローフェイズでの展開
自分のフィールドにブラック・マジシャンがいない場合、墓地ナビが使えません。
メインフェイズ1開始時には帚や壺といった一発逆転の魔法カードを発動される可能性があるため、陣のタイミングを待たずしてドローフェイズにブラック・マジシャンを展開するのも状況によっては有効です。
相手のデッキのマストカウンターが何かを想定して取捨選択をしましょう。
あとは同じことの繰り返し
ターンが長引くほど魂が強力に働く一方で、相手に隙を与える機会も増えていきます。
相手のデッキタイプを見極め、緩急を使い分けてしなやかに回すのが理想ですね。まぁ、これがなかなかうまくいかないわけですが(^^;
目指せブラック・マジシャン使いへの道
本記事の内容に留まらず、ブラック・マジシャンは様々なカスタマイズ性を持っています。
今回ご紹介させていただいたノウハウが、新規カードも加えて独自に構築・プレイングを磨いていただくための足掛かりになれば幸いです。
以上