ソウルズを使いこなせ!ブラック・マジシャンで使える最新カード2選
「烙印融合」の規制によってしばらく迷子になっていた「ブラック・マジシャン」の構築ですが、近ごろ親和性の高いカードが登場しています。
今回紹介するのはこの2枚。実際に使ってみて手応えを感じたので、プレイングなども含めて解説していきます。
超未来融合-オーバーフューチャー・フュージョン
永続魔法
(1):以下の効果から1つを選択して発動できる(このカード名の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度しか選択できない)。
●EXデッキの融合モンスター1体を相手に見せ、そのモンスターにカード名が記された融合素材モンスター1体をデッキから墓地へ送る。このターン、自分はこの効果で墓地へ送ったモンスター及びその同名モンスターを特殊召喚できず、そのモンスター効果を発動できない。
●自分の墓地のモンスターを融合素材として除外し、機械族・闇属性の融合モンスター1体を融合召喚する。
ブラック・マジシャンまたはブラック・マジシャン・ガールを墓地へ送れる永続魔法であり、「永遠の魂」の条件を整えられます。
「マジシャンズ・ソウルズ」と役割が重複するものの、墓地に2枚落とすことで「魂のしもべ」のドロー枚数を増やしたり、「マジシャンズ・コンビネーション」の条件を揃えたり、ビーステッドをケアしたりと状況に応じた選択ができるため無駄になりません。
そして特筆すべきはやはり永続魔法である点。発動後にソウルズでドローに変換してしまえば損失なく墓地を肥やせることになります。
ソウルズと相性のよい「チキンレース」はフィールド魔法なので「マジシャンズ・サルベーション」と場で共存できないこと、場に残してしまうと相手に利用されるリスクがあることなどいくつか課題がありました。
超未来融合はソウルズがあってもなくても役割を果たせて、なおかつソウルズ、しもべ、サルベーションと繋げることでさらなるドロー加速ができるところに価値のあるカードです。素引きを前提とするので絶大な強化になるわけではありませんが、構築の選択肢として有用な1枚であるといえるでしょう。
閃刀姫-カメリア
リンク2/闇属性/機械族/攻1500
【リンクマーカー:右上/左下】
効果モンスター2体
このカードはL召喚でしかEXデッキから特殊召喚できず、自分は「閃刀姫ーカメリア」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):1ターンに1度、自分の墓地の魔法カードが3枚以下の場合に発動できる。デッキから「閃刀」カード1枚を墓地へ送る。
(2):このカードが墓地へ送られた場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。このカードを相手フィールドに特殊召喚し、対象のモンスターを墓地へ送る。このカードのコントロールはこのターンのエンドフェイズに元々の持ち主に戻る。
こちらは汎用のリンクモンスター。このLINK-2という存在は、ブラック・マジシャンの構築において非常に重要な役割があります。
先攻初手で動けるのがロッド、ソウルズの2枚だけの場合、ソウルズの効果の選択および、ロッド(しもべ)のサーチ先の組み合わせでよくあるのは次のいずれかであると考えられます。
- 「このカードを特殊召喚する。」を選択する
- マジシャンズ・サルベーション
- 黒の魔導陣
- 「このカードを墓地へ送る。その後、自分の墓地から「ブラック・マジシャン」または「ブラック・マジシャン・ガール」1体を選んで特殊召喚できる。」を選択する
- 黒魔術の秘儀
- 師弟の絆
これを踏まえてロッドとソウルズの発動順、いわゆる手札誘発ケアに関して整理します。
ソウルズを特殊召喚する場合には次の順で処理するのが理想です。
最初にロッドを召喚。
次にアルテミスをリンク召喚。
最後にソウルズを発動。
チェーンに乗る特殊召喚を最後にすることで、相手の「増殖するG」によるドローを0~1枚に抑えられます。ソウルズによるブラック・マジシャンの特殊召喚は任意のため、事前にGが発動されているならブラック・マジシャンを墓地へ送るに留めてドローを許さないプレイングも取れます。
一方で、秘儀や絆を本命とする場合だとそうはいかず、ソウルズに対するビーステッドや「屋敷わらし」などがないことを確認してからサーチをするようにしなければなりません。
永遠の魂では妨害にならないので、初手からブラック・マジシャンの特殊召喚を狙うのも一概に不正解ではありませんが、まずは確実にアドバンテージを稼ぐ方が難がないといえます。
そしてGを受けずに2体並んだのであれば、やはりリンク召喚で手数を増やしたいところです。
LINK-2妨害持ちの「I:Pマスカレーナ」はそもそもアルテミス素材では出せず、さらに効果で盤面を素材にしてしまうので、何かとロッドの墓地効果との相性がよくありません。
新たに登場する「S:Pリトルナイト」はブラック・マジシャンを素材にできず、出すとすれば従前のとおり「閃刀姫-アザレア」「トロイメア・ユニコーン」になるので、アドバンテージの面でも優れているとは言い難いです。
「魔導原典 クロウリー」は67%で2ドローができ、間接的に妨害数を増やせるカードです。ただし、ドローソースに何枚も枠を割いてしまうと重ね引きによるドローの質低下を招くため、サーチが豊富な現代のブラック・マジシャンにはやや噛み合わないところがあります。
つまりこれまでのカードプールにおいては、LINK-2を安定供給できるにも関わらずその候補が微妙であるという課題を抱えていたわけです。
さて、前振りが長くなりましたがこの「閃刀姫-カメリア」は「閃刀姫-カガリ」を介して「閃刀機-ウィドウアンカー」を加えて、「閃刀姫-シズク」でさらなるサーチができるアドの塊。ソウルズの効果で能動的に魔法を貯められることからも高いシナジーがあります。
ソウルズで魔法を2枚切ることは「灰流うらら」を考慮すると敬遠されるプレイングでしたが、墓地の魔法が3枚になれば「閃刀起動-エンゲージ」にドローが付くため、むしろ積極的に切ることで手札を回していけます。
また、閃刀魔法カードは捲り札として最低限の役割が持てるため、先攻を想定したギミックでありながら後攻で素引きして腐りにくいのも評価ができます。
総じてブラック・マジシャンにとって都合のよい要素を備えており、カメリアはLINK-2の候補として最有力になるのではないかと考えております。
既存カードの評価の変動
手札から打つ魔法1枚+ソウルズで切る魔法2枚をベースに考えると、「儀式の準備」といった状況を選ばず消費できる魔法カードの価値は高くなります。
とはいえ、「成金ゴブリン」は秘儀による2500+2500+3000のキルラインを捨ててしまい、それ以外だと「おろかな副葬」などやや癖の強い性質のカードになるため、エンゲージのドローを狙いすぎるのも考えものです。
ブラック・マジシャンではあまり採用されない「墓穴の指名者」「抹殺の指名者」「三戦の才」などは通るとかなり優位に立てるので、色々入れ替えて試してみるとよさそうです。
汎用除去カードであるアザレアは、3ターン目以降のカガリの出し直しにも使えるため有効に活用ができます。
メインはエンゲージ1、アンカー2、(+α)で、エクストラはカメリア1、カガリ2、シズク1、アザレア1にするのがおすすめです。
アドの概念の学びなおし
今回紹介したカードは圧倒的な制圧力をもたらすわけではなく、既存のブラック・マジシャンの動きに少しだけ付加価値を与えるものです。地道に優位な状況をつくる構築は、研究のしがいがあってとても楽しいので、今後もカスタマイズを継続していく予定です。
というわけで、実に2年振りとなるブラック・マジシャンの考察でした。
以上