ブラック・マジシャン ゲートボール [エキスパートルール編]

「20th ANNIVERSARY DUELIST BOX」、無事予約できました。
ので今回は趣向を変えて、20周年を振り返る内容でお送りします。

(「20th ANNIVERSARY SET」発売の8月ごろアップ予定で書き始めたのにずっと放置してたなんて言えない。。。)

1999 なかなか手に入らない超レアカード

Vol.1版 EX版

遊戯王初のレギュラーパック「Vol.1」のウルトラレアカード、ブラック・マジシャン。
近年テーマ化もされ未だファンの多いカードでありながら

などと不思議に思う方もいるでしょうが

フレーバーテキスト通り、当時の最強クラスのモンスターです。非常に希少なカードでしたが、同年の「EX」発売を機に初心者でも入手可能な親しみ深い存在となりました。Vol.1版とはイラストが異なり、このEX版の方に思い入れがある方も多いかと思います。

もっとも、EX発売時はすでに生け贄召喚のルール導入後であり、カードパワーでは「デーモンの召喚」に一歩及ばず。殻を破るにはまだ時間を要します。

2001 最上級魔術師を呼び出す切り札

巨大化 黒魔術のカーテン 千本ナイフ

ブラック・マジシャンのサポート盛りだくさん、に見せかけて実はそうでもないPP4が発売。

原作から大幅に弱体化した「ブラック・マジシャン・ガール」に「千本ナイフ」、もはや関係のない「死のマジック・ボックス」。

しかし、初の専用カード「黒魔術のカーテン」の存在は大きく、条件の緩い特殊召喚に加え、ライフコストを逆手に取った「巨大化」によって、通常モンスターの域を超えて独自の構築を確立しました。

攻撃力5000のブラック・マジシャンを「魔法の筒」で返されたって、ブラック・マジシャンを使えるだけで楽しかった時代。

時の魔術師 黒衣の大賢者

そのほかこの時期に登場したカードとしては、王国編(アニメ)の「黒衣の大賢者」があります。その召喚条件は構築でどうこうできるものではなく真に決闘者の実力が試されることから、今でも根強いファンがいるようです。

2002 新戦術 魔力カウンター

熟練の黒魔術師 見習い魔術師 魔導戦士 ブレイカー 超魔導剣士-ブラック・パラディン

今度こそブラック・マジシャンのサポート盛りだくさんな黒魔導の覇者が発売。原作には登場しない優秀な下級モンスターを獲得しました。

「熟練の黒魔術師」は、高い攻撃力による場持ちの良さに加え、魔法カードが強力だった時代背景もあってカウンターを貯めることは容易く、長らくブラック・マジシャンデッキの主力を務めることとなりました。
余談ですが、熟練は当時の裁定において効果の空打ちが認められていたことから、魔力カウンター2つで「心変わり」されるとそのまま生け贄にされてしまうリスクを抱えていました。

また一方で、魔法が強力な時代だからこそ「超魔導剣士-ブラック・パラディン」の効果は強烈で「王宮のお触れ」と並べればほとんどのカードを無力化できる、まさに切り札と呼べる存在でした。召喚難易度は高いですが、沼地の魔神王なき時代で唯一の融合召喚する価値のある融合モンスターといっても過言ではありません。

拡散する波動 奇跡の復活 黒炎の騎士-ブラック・フレア・ナイト- 幻影の騎士-ミラージュ・ナイト-

なお、同パックは魔法罠が扱いづらいものばかりである反面、環境クラスの効果モンスターが多数収録されていたことで有名です。
ブラック・マジシャンとは関係のない「魔導サイエンティスト」が、続くガーディアンの力の「黒炎の騎士-ブラック・フレア・ナイト-」活躍の伏線であったことは、まだ知る由もないのでした。

2003 マジシャンデッキの誕生

ブラック・マジシャン・ガール 賢者の宝石 魔術の呪文書 混沌の黒魔術師 光と闇の洗礼

ゲームボーイDMシリーズ最後のナンバリングタイトル、DM8に「賢者の宝石」が収録。加えてLE5でも、専用カードである「魔術の呪文書」が登場し、ブラック・マジシャン・ガールがようやく友達に冷やかされることなく堂々とまともに採用できるようになりました。
さらに、強力なフィニッシャー「混沌の黒魔術師」が参入したのもこの時期です。

聖なる魔術師 黒き森のウィッチ 霊滅術師 カイクウ お注射天使リリー 墓守の偵察者 ディメンション・マジック

また「ディメンション・マジック」によって魔法使いが種族デッキとして確立。当時の魔法使い族のカードパワーも手伝って実戦レベルのデッキへと躍進し、数年に及ぶブラック・マジシャンデッキの基礎を築きました。

カオス・ソルジャー -開闢の使者- 混沌帝龍 -終焉の使者- カオス・ソーサラー

そして、この時代の象徴といえばコレ。
魔法使いに光と闇が多く、「カオス・ソルジャー」は遊戯の切り札であることからも相性は良好でしたが、主役のブラック・マジシャンを差し置いて主張が激しすぎる。。。

2004 禁止カード導入 デフレの始まり

黒・魔・導

新規に「黒・魔・導」を獲得。しかし、上級モンスターの着地後に脅威となる罠は少なく「聖なるバリア -ミラーフォース-」も禁止と制限を行き来していたことから、強く打てる相手は永続罠を多用する【ロックバーン】などに限られていました。
とはいえ直後に禁止カードとなった「ハーピィの羽根帚」に匹敵する効果は馬鹿にならず、環境の変化やブラック・マジシャンの展開の安定化に伴って活躍できるだけのポテンシャルはあるカードでした。

黒の魔法神官

問題なのは「黒の魔法神官」。効果は劇場版から大きく弱体化し、重い召喚条件を乗り越えて得られるのは罠の無効化のみ。だから上級モンスターの着地後に罠を止めてどうするの。。。

ゲートボール界で人気の高い04ですが、汎用カードの禁止化でデッキパワーの差が顕著になり、原作の連載終了も相まって向かい風な環境であったかと思います。

2005 途絶える原作の恩恵

マジシャンズ・サークル

「マジシャンズ・サークル」登場。原作を舞台とした最後のゲームソフト NIGHTMARE TROUBADOUR の収録カードです。

発動に若干クセがあるものの、ブラック・マジシャン・ガールや下級魔法使いを自在にリクルートできるようになり展開力と安定性が向上しました。

黒魔導の執行官

続いて、ブラック・マジシャンを生け贄に特殊召喚される「黒魔導の執行官」が登場。
しかしながらこちらは強化と呼べる性能ではなく、ステータス据え置きでバーン効果が付与されるだけのもの。

4期ストラクの呪いのようなもので、種族デッキにはシナジーがなく、専用デッキを組むには重く、ロマンカードとしては地味で、原作にも登場しない、立ち位置のよくわからない存在です。

そしてこれ以降、2012年「マジマジ☆マジシャンギャル」まで直接的な関連カードは登場せず、冬の時代に突入します。

2006 魔法の衰退と新たな原石

天使の施し 封印の黄金櫃

変異カオス消滅後も「天使の施し」「封印の黄金櫃」によって「聖なる魔術師」が環境で活躍していましたが、200703制限改訂でキーカードが規制へ。聖マジゲー壊滅と同時に、魔法使い族と魔力カウンターを軸とした構築は力を失ったのでした。

ブラック・マジシャンズ・ナイト 騎士の称号 D-HERO ダイヤモンドガイ

かたや、既存とはまったく異なる形で魔法を活用したのが「D-HERO ダイヤモンドガイ」であり、通常魔法の発動条件とコストを無視して効果を適用するという規格外の裁定から「騎士の称号」などの重いカードを救済する可能性を秘めていました。

しかし、その安定性の低さからこのギミックはまだ構築として成立するだけの条件が整っておらず、覚醒するのはもう少し先の話になります。

なお、先述の熟練空打ちができなくなったのもこのあたり[要出典]。このルール変更によって微細ながら熟練が強化されたといえます。もっともそれは同時に「トゥーンのもくじ」の空打ちができなくなったことも意味するわけですが。

2007 選考会に現れしブラック・マジシャン使い

闇のデッキ破壊ウイルス 魔のデッキ破壊ウイルス 死のデッキ破壊ウイルス ダークゾーン

【ダークゴーズ】規制直後、第3のウイルスカードが登場したもののどうにも活かせるデッキがない、そんなころ。

【ブラマジウイルス】なるデッキが日本代表を決める選考会の1回戦を突破したことは記憶に残っている方も多いかと思います。
それは、3種のウイルスカードと「ダークゾーン」を採用した魔法使い軸のブラック・マジシャン(・ガール)デッキであり、公式大会の記録に残る数少ないデッキレシピとして後のブラック・マジシャン使いのお手本となりました。

とはいえ、私は結局この型は使うことはありませんでした。

2008 次回予告

突如現れた「ブラック・マジシャン」を名乗るもの。その正体は!?
不死のゾンビにより決定される運命。【ブラマジダイヤモンド】完全体と崩壊の足音。

次回、ブラック・マジシャン ゲートボール [マスタールール編]

デュエルスタンバイ!